被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト


玄海町長中間貯蔵施設発言

玄海町長中間貯蔵施設発言(2009年3月3日 読売新聞)

玄海町長中間貯蔵施設発言 九州電力玄海原子力発電所(玄海町)3号機で今秋にもプルサーマル発電が始まるのに絡み、岸本英雄・玄海町長が2日、「(使用済み核燃料を再処理するまでの間に保管する)中間貯蔵施設の議論をしなければならない時期にきている」と発言したことは、様々な波紋を呼んだ。古川知事は報道陣に「現時点では、直ちに県に必要とはならない」と述べ、原発に反対する各団体は一斉に反発した。

 古川知事は、岸本町長の発言について、「中間貯蔵施設の必要性を議論する時期だという考えは、その通りだと思う」と理解を示しながらも、中間貯蔵施設の計画が具体的に進んではいないとの認識を示し、「九電が本当に必要なのか検討することが先。九電と玄海町が議論するのはいいが、県が入ることは考えていない」と強調した。

 県と玄海町は2月26日に、玄海原発3号機でのプルサーマル発電に使用する燃料をフランスから輸送することを了解したばかり。知事は「まずはプルサーマル計画が県民の理解を得られるよう努力することに全力を注ぎたい」と述べた。

 一方、「プルサーマルと佐賀県の100年を考える会」のメンバーらは、「後世に負の遺産となる中間貯蔵施設を考える前に、核廃棄物を出さぬよう原発自体を中止すべき」と求める知事あての文書を県に提出し、玄海町では、「中間貯蔵施設を建設しないよう強く求める」との要望書を岸本町長へ手渡した。

 「止めようプルサーマル・佐賀」の杉野ちせ子共同代表(57)も「県内が核のごみ捨て場になっていいのか、県民全体で議論して決めるべき」と語気を強めた。

 この日開かれた唐津市議会のプルサーマルに係る特別委員会で、浦田関夫議員(共産)は「最終処分場が決まらない中で中間貯蔵施設をつくると、永久に死の灰の墓場になるのではないかと不安だ」と述べた。

 市民グループ「玄海原発対策住民会議」(事務局・唐津市)は、プルサーマル導入の中止を求める要求書を唐津市長あてに提出した。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

核燃料中間貯蔵施設 住民の了解を得るべき
佐賀新聞 論説(2009/03/03)

 東松浦郡玄海町に使用済み核燃料の中間貯蔵施設を建設する計画が、水面下で進んでいた。九州電力と同町が立地の調整に入っており、新年度中には立地可能調査に着手したいとしている。2010年代後半の操業開始を見込んでいる。

 中間貯蔵施設については、07年に岸本英雄町長が誘致の考えを明らかにしていた。ところが、同町に隣接する唐津市の坂井俊之市長や市議会が相次いで遺憾の意を表明し、プルサーマル計画に反対する市民団体も抗議を行った。岸本町長は「今の時点で誘致はない。しかし検討は避けられない」と発言をトーンダウンさせていた。

 その後、住民には何の説明もなく、誘致計画だけが進んでいたことになる。性急すぎるのではないか。「事故が起きたら大変なことになるのでは」との住民の不安は解消されていない。立地場所や施設の概要、地震対策などを丁寧に説明し、住民の了解を得るべきだ。

 会見で岸本町長は「原子力施設の中で中間貯蔵施設は安全なものだ」と表明した。それなら、その安全性をきちんと説明すべきだ。不安を持っているのは、玄海町の住民だけでなく、隣接する唐津市の肥前町、鎮西町などの住民も同様だろう。周辺住民の信頼を得るための努力をしなければならない。

 中間貯蔵施設は、原発の使用済み核燃料を、再処理工場に送るまで保存するもの。プルサーマル計画を含めた核燃料サイクルを推進する上で欠かせない施設とされている。全国の原発からは年間約1000トンの使用済み核燃料が出ており、全国数カ所に施設が必要とされている。

 2004年には宮崎県南郷町が九電に立地可能性調査を申し入れたが、住民などの反対で撤回。現在、青森県のむつ市が2010年に施設の操業を予定しており、玄海町の建設が決まれば、全国で2番目となる。

 ただ、むつ市の場合も住民の反対運動があり、調査から事業許可申請まで約6年半かかっている。玄海町でも住民の理解を得るためには相当な時間が必要だろう。また、青森県六カ所村の核燃料再処理工場は08年に稼働の予定だったが、相次ぐトラブルで稼働が延び延びになっている。

 むつ市は貯蔵期間を最長50年としているが、再処理がうまくいかなければ、永久貯蔵ともなりかねない。玄海町も核燃サイクルをトータルで見通す必要がある。

 自治体が原子力関連施設を誘致する理由の一つに、巨額の交付金や固定資産税がある。原発4基が立地する玄海町も恩恵を受けている。本年度の原発関係の固定資産税は20億円程度。中間貯蔵施設を造れば、新たな税収増や交付金増が期待できる。

 むつ市の中間貯蔵庫建設に伴い、事業者の東京電力と日本原子力発電は、周辺の6漁協に対し、毎年計2500万円を支払う協定を結んでいる。核燃料容器運搬船が航行することに伴う漁業制限の補償金だ。

 しかし、こうした交付金や補償金など金による解決は、住民の心を荒廃させることもある。まず住民への徹底した情報公開と安全性の説明を行って、信頼を確立することが大切だ。(園田 寛)



同じカテゴリー(玄海町)の記事
原発共存
原発共存(2010-08-16 23:02)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
玄海町長中間貯蔵施設発言
    コメント(0)