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10月にプルサーマル開始へ MOX燃料が仏出港

10月にプルサーマル開始へ MOX燃料が仏出港
佐賀新聞(2009/03/07)

10月にプルサーマル開始へ MOX燃料が仏出港 玄海原子力発電所3号機(東松浦郡玄海町)で計画しているプルサーマルについて、九州電力は6日、8月下旬から始まる定期検査に合わせてウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を装荷する方針を明らかにした。計画通り進めば、10月下旬にも国内初のプルサーマルによる発電がスタートする。

 MOX燃料を積んだ2隻の輸送船は同日未明、フランス西部のシェルブール港から日本に向けて出発した。中部、四国電力の各原発で使用する燃料と一緒に、アフリカ南端の喜望峰を回る「南西太平洋ルート」で運ぶ計画。日本到着は5月後半になる見通しで、玄海原発に搬入する時期は核防護上の理由から公表されていない。

 フランス出港を受け、九州電力は同日、県庁などで記者会見を開き、8月下旬の3号機定期検査時にMOX燃料を装荷する方針を表明。玄海原発に搬入後、国の輸入燃料検査や使用前検査などを経て、10月下旬にはプルサーマルによる発電を始め、11月中旬には通常運転に復帰する。

 同社佐賀支店の石川伸一課長(玄海原子力担当)は「輸送に万全を期すとともに、受け入れ後の各工程を着実に進め、安全を最優先にプルサーマルを実施したい」と述べた。

 古川康知事は「結果的に最初となるが、1番とか2番とかではなく、安全第一に輸送も作業も進めてほしい」と安全確保を要望。地元玄海町の岸本英雄町長も「九電や国に対しては、節目ごとに安全確認を要請していきたい」と話した。

 プルサーマルは東京電力、関西電力が先行し、1999年と2001年にMOX燃料を欧州から輸送。その後、トラブル隠しなどの不祥事が発覚したため、頓挫した。今回、共同輸送している中部の浜岡4号機(静岡県)は2月下旬に定期検査を始めたばかりで、四国の伊方3号機(愛媛県)は昨年12月に検査を終えており、玄海3号機が国内最初のプルサーマルになる。

【写真】プルサーマルの実施予定時期などについて説明する九州電力佐賀支店の石川伸一課長(左)=県庁

海外では57基で使用実績 住民の不安根強く

 プルサーマルで使用するMOX燃料を積んだ輸送船が6日、フランスを出発し、九州電力玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)で10月下旬にも開始される見通しになった。海外ではフランスやスイスなど9カ国の原発57基で使用実績があるが、国内での本格導入は玄海原発が初めて。関西電力のMOX燃料データ改ざんで約10年遅れていたプルサーマル。住民の不安は根強く、安全性をめぐる論議が再燃するのは必至だ。

 MOX燃料は使用済み核燃料を再処理してプルトニウムとウランを抽出、それを混ぜ合わせて製造する。通常のウラン燃料に比べると出力が高いが、プルトニウムが核分裂する割合も高くなる。プルサーマルに反対する住民は「制御棒の利きが低下する」といった不安の声を上げる。

 だが、国や電力業界は欧米での使用実績を挙げ、核燃料サイクルの必要性を強調。関西電力高浜原発で1999年、イギリスから輸送されたMOX燃料の検査データ改ざんが発覚、プルサーマルが宙に浮いた経緯を踏まえ、今回は検査体制を強化。電力会社自らフランスの工場に社員を派遣し、安全性の確保に努めた。

 そうした二重、三重の検査を経て輸送されるMOX燃料。だが、市民団体は「不安が消えたわけではない」とし、反対運動を続ける考え。MOX燃料が日本に到着するのは5月後半になる。



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