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ヤギ死因は硝酸塩

 収量を上げるために、農産物には大量の堆肥を与えます。
 化学肥料と違い天然肥料なので良いと思っていましたが、こんな落とし穴があるとは…。
 人間に対する研究を進ると共に、硝酸塩を減らすための栽培技術開発を急いでもらいたいですね。
ヤギ死因は硝酸塩

◎佐賀新聞(2008/03/14)
 同一野菜のやりすぎ注意 ヤギ死因は硝酸塩

 昨年12月、佐賀市内の小学校で飼育していたヤギ3匹が死んでいた問題で、県の中部家畜保健衛生所は解剖の結果、餌の野菜くずに含まれていた硝酸塩の体内蓄積による中毒死と診断した。急性硝酸塩中毒は、ヤギや牛など胃を4つ持つ反すう動物に特徴的な症状という。スーパーから譲ってもらった白菜に高濃度の硝酸塩が含まれており、これを一度に大量に与えたことが原因。厚生労働省や農林水産省は「市販の野菜を食べて動物が硝酸塩中毒を起こした事例は聞いたことがない」と話す。

 家畜保健衛生所による病性鑑定で、ヤギの血中から正常値の百倍以上に当たる硝酸態窒素濃度がみられた。また、餌の白菜から飼料の安全基準ガイドラインを大幅に超える高濃度の硝酸塩を検出。加えて、外傷や病変がないことから、急性硝酸塩中毒と診断した。

 同校によると、夏場は校内に自生している草をヤギの餌にしていたが、草が枯れる冬場はスーパーからの野菜くずを譲り受けており、ヤギが死んだ数日前から、白菜ばかりを与えていたという。

 植物は栄養分の窒素を硝酸塩に変えて吸収し、成長するが、堆肥(たいひ)などの窒素肥料を与えすぎると植物内に硝酸塩がたまり、濃度が上がる。この硝酸塩が動物の体内に入ると、健康に害を及ぼす物質に変化する。

 このため家畜保健衛生所は「特定の野菜ばかりを与えると中毒になるリスクも高くなる」「餌を長時間切らせると次に与えるとき、食べ過ぎてよくない」などの注意点を同校に通達。現在は、残ったヤギ1匹にわらや草など数種類を混ぜた餌を与えている。

 近年、野菜の硝酸塩について農水省には人間の健康に対する影響についても問い合わせが寄せられているという。

 食品添加物としてチーズや食肉製品から取り込む硝酸塩については、1日許容摂取量を定めているが、野菜については基準値を設定していない。そのため「今回の白菜が人間に与える影響については化学的データがなく、答える立場にない」といい、「とにかく初めてのケース」と戸惑いを隠せない。

 ただ、野菜の硝酸塩は「ゆでる」ことや「漬ける」ことで減少することから、農水省は「現時点で人体に問題があるとはいえない。野菜を食べる健康上のメリットを大切にすべきで、一定の種類に偏らずバランスよく取ってほしい」と強調する。


硝酸塩対策 農水省は硝酸塩を減らすための栽培技術開発や産地への研究支援を実施。海外では国連食糧農業機関(FAQ)と世界保健機関(WHO)の合同専門家会合が「野菜を摂取することの利点からみて、野菜中の硝酸塩量を限定することは適切ではない」と報告したが、一方で、EUは1997年から、レタスとホウレンソウについて含有量の基準値を定めた。



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