「
エツ」と言う魚をご存じですか。
エツ(斉魚)は、ニシン目・カタクチイワシ科に分類される魚の一種。
成魚は全長30cm-40cmほど。
体は植物の葉のように前後に細長く、左右から押しつぶされたように平たい。
筑後川流域で多く漁獲され、代表的な郷土料理の食材ともなっています。
中国では漢方医学の材料として使われる。
エツ(斉魚)
「エツ」には変わった伝説があります。
むかし
弘法大師が九州行脚のとき、筑後川の渡しを渡ろうとしましたが渡し銭が無く困っていました。
そのとき貧しい漁師が、私がお送りしましょうと言って無事対岸に渡したそうです。
弘法大師はそのお礼にと、
葦の葉を1枚ちぎって川の中に投げたところ、それが魚となって泳いでいったのが「エツ」になったと言われています。
空海(弘法大師)
葦(ヨシ)
福岡県久留米市城島町の旧渡し場付近のこの青木島に弘法大師を祀る「
エツ大師堂」があります。
エツ大師堂
筑後川昇開橋
◎佐賀新聞(2008/05/01)
筑後川で「エツ漁」解禁
筑後川の初夏の風物詩「エツ漁」が1日、解禁された。佐賀市諸富町と福岡県大川市を結ぶ昇開橋周辺では地元漁師が早速、約200メートルの網を投げ入れた。漁期は7月20日まで。
エツはカタクチイワシ科の魚で、体長30センチ前後。銀色に光るうろこが特徴。日本では淡水と海水が入り交じる汽水域が大きい筑後川と有明海にしか生息しない。初夏を迎えると産卵を控えたエツが筑後川を遡上(そじょう)するため、初夏を告げる魚として珍重される。昨シーズンの漁獲量は5・7トンだったが、今年はシーズン前の雨量が多く、川の塩分濃度もまずまずのため「数が期待できる」(地元漁師)。
大川市の若津港ではこの日、川開きの式典があり、佐賀市の秀島敏行市長や大川市の植木光治市長ら約100人が出席。豊漁と安全を祈願する神事後、4隻の遊覧船に乗り込み、2隻のエツ掛け船による漁を見学しながら、旬の味覚を楽しんだ。
【写真】エツがかかった刺し網を引き上げる漁業者。後ろは観光遊覧船=昇開橋付近の筑後川