六ケ所村の核燃再処理工場:廃液漏れ問題で国に追加報告
毎日新聞(2009/04/10)
六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場の建屋で高レベル放射性廃液が漏れた問題で、日本原燃は10日、国に追加報告をした。先月、洗浄作業などに使う遠隔操作装置を動かすためのケーブルのレールが作動しなかった問題では、さびと潤滑剤の混合物が付着したためと結論付けた。さびは、高レベル放射性廃液が揮発した硝酸(しょうさん)成分によるものという。原燃は、硝酸が付着した可能性のある機器約220点を点検する。
報告は、固化セル(コンクリートで囲んだ部屋)内の洗浄作業中にセルに隣接した別のセルの放射線量が上昇し、作業を一時中断した問題について、両方のセルの間にある電源ケーブル用の穴のふたをとめるボルトを、合成ゴム状のものから、金属製のすき間を埋めるパテに替え、密封性を高める。作業は1週間程度という。
また、セル内でカメラなどを移動させるために使うクレーンは3月21日に復旧したが、同31日に再び停止しており、原因を究明している。【後藤豪】
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六ケ所村の核燃再処理工場:原燃、県議に経過説明 トラブル続発受け
毎日新聞(2009/04/10)
◇「安易な決断反省」
日本原燃(六ケ所村)は、使用済み核燃料再処理工場での相次ぐトラブルを受け、県議への経過説明を進めている。1月下旬に高レベル放射性廃液約148リットルが漏れ落ちた際の対応の遅れについて、原燃は「(液受け皿の)水を高レベル放射性廃液ではないと思い込んでいた。安易な決断は大きな反省点」と非を認めている。
社民・県民クラブと共産に対する9日の説明で、古村一雄県議(社民・県民クラブ)は「反省しながらもなぜ(トラブルが)続くのか。技術的に原燃は自信過剰なのか」と質問。原燃の中村裕行・再処理計画部長は「結論は言える状況ではない」と答えた。
また8月の試運転終了のめどについて、原燃は「非常に厳しくなっている。8月にこだわらずに確実に仕上げていく」とした。諏訪益一県議(共産)は「ガラス固化の解明作業は最大の難点だ。このことを率直に認めないと、より一層、不信が広がるだけだ」と批判した。【後藤豪】